ドアを開ける
介助犬の役割
介助犬(補助犬)が行える作業は、ドアの開閉、携帯電話やテレビのリモコンなど特定の物を手元に持ってくる、車いすをひく、起き上がったり車いすへ移ったりする際の支えなど多岐に渡ります。指先に力が入りにくいユーザーのために、ペットボトルを開けたり、割箸を割ったりする手作業の介助も。24時間そばにいて、手足となって働く介助犬(補助犬)。文字通りユーザーの体の一部というべき重要な存在です。
介助犬になるまで
基礎訓練
基本的な指示に
従える
介助動作訓練
ユーザーのニーズに
合う介助動作を
身につける
合同訓練
ユーザーとともにどんな場所でも落ち着いて行動できる
介助犬は、先ほど紹介した全ての介助動作ができる訳ではありません。ユーザーのそれぞれの身体障がいに合わせて介助動作を専用に習得します。そのため、通常のドッグトレーニングとは違い、その訓練は容易ではありません。
介助犬の育成事業は、一般的には「身体障がい者補助犬給付事業」と呼ばれていて、厚生労働省が推進する地域生活支援事業の一部の事業です。
希望者が居住地の地方自治体に介助犬給付申請することで、地方自治体から介助犬訓練受講費が給付され、希望者が指定した介助犬育成団体が事業委託を受ける、という流れになっております。
身体障がい者補助犬法は、体に障がいを持つ人が補助犬(介助犬、盲導犬、聴導犬)を同伴して社会参加できるよう、支援するための法律です。介助犬は法的に認められた存在であり、ユーザーは次のような権利と義務を有します。
不特定かつ多数の者が利用する施設における身体障がい者補助犬の同伴
第九条 前二条に定めるもののほか、不特定かつ多数の者が利用する施設を管理する者は、当該施設を身体障がい者が利用する場合において身体障がい者補助犬を同伴することを拒んではならない。ただし、身体障がい者補助犬の同伴により当該施設に著しい損害が発生し、又は当該施設を利用する者が著しい損害を受けるおそれがある場合その他のやむを得ない理由がある場合は、この限りでない。
介助犬を取り巻く課題
日本における介助犬希望者数は約1,000人は下らない。しかし現実には、実働している介助犬の数は全国でたったの53頭です。多くの身体障がい者が介助犬との生活をしたくても、それを諦めざるをえない現状です。